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ミュージカル「バンズ・ヴィジット」感想

またしても観劇からだいぶ経ってしまったミュージカルの感想。

「バンズ・ヴィジット(The Band's Visit)は、2007年に公開されたイスラエル映画迷子の警察音楽隊」を原作にしたミュージカルで、2018年にトニー賞を受賞した作品。

2月に日生劇場に見に行きました。

 

イスラエルに演奏旅行に来たエジプトの音楽隊が行き先を間違えて、たどり着いたイスラエルの辺境の町の人々と一晩交流をするという物語。

 

 

原作映画はいわゆるミニシアター系だと思うのだけど、ミュージカルもそんな感じだった。派手さはないけど、登場人物たちの人間模様が愛おしい感じ。

エジプトとイスラエルの微妙な関係、辺境の何もない街で鬱屈した気持ちをかかえる住民たちと、言葉が通じないコミュニケーションの難しさもありつつ心を通わせる楽団員たちの姿が描かれる。独特な哀愁の漂う中東音楽もとてもよいのだけど、楽団員役の人たちが実際に楽器を演奏しているのも特徴。

それぞれの楽器が奏でるバラバラの旋律が重なって一つの音楽が作り上げられるように、特に何が起きるわけでもない平凡な一人ひとりの人生が、ほんの一晩交流したときに重なって音楽を奏でたというような作品。ああ、いい作品見たな、と思いながら帰りました。

 

ただ、ちょっとこういう作品としては日生劇場は大きすぎたよな~。もっと小さいこじんまりとした劇場の方が合っていたと思う。なかなか地味な作品なのでチケットの売り上げもいまいちっぽかったし…。

あとね、電話男役がお笑いの人だったようなのだけど、最後一番良いシーンでソロがあって、それがなんかカラオケで歌うJ-Popという感じで作品世界に合っていなかったのが結構不満。

キャストは総じてよかったのだけど。

 

曲は新納慎也さんが演じるカーレドが歌う"Haled's Song About Love"が好きでした。