楽しい休日

旅行やドラマ、映画、ミュージカルなど

ニューヨーク旅行 ミュージカル「Little Shop of Horrors」感想

年に2回も渡米した理由、夏のニューヨーク旅の大本命であるミュージカル"Little Shop Of Horrors" @Westside Theatreの感想です。

 

なぜならジェレミー・ジョーダンがシーモア役でカムバックしたから!

2019年にはじめてNYに行ったときに、偶然にもWaitressにポマター役で出演したのを見ることができたのだけど、デュエット曲だけだったので、いつかがっつり主演をしている作品を見に行くぞ!って思ってた。

 

Little Shop of Horrorsは、ディズニー映画「リトルマーメイド」などの作曲・作詞コンビであるアラン・メンケンとハワード・アッシュマンの出世作。今回見に行ったのは2019年から上演されているオフ・ブロードウェイのリバイバルです。

 

今回はこれを見るのが目的だったので2回見に行った!小さい劇場なので、前方をとると唾が飛んでくるのが見えるほど舞台が近い。ジョナサン・グロフ(唾がめっちゃ飛ぶことで有名)がシーモア演じてた時、前の人たち浴びただろうな…。

 

こじんまりとしていてよい感じの劇場。開場前から中に入って待つことができた。

1回目。前から8列目くらい。出演者と目の高さが同じなのがよかった。

 

2回目。前から3列目。十分すぎるほど近い。

 

もうとにかく、歌が、歌がうめぇーーー!!!

あと、シーモアのダサさと気持ち悪さの演技がうますぎる!!!なんてダメなやつだ!!となりつつも、キュートすぎる!!語彙喪失してまともな感想は書けません。

 

有名な曲以外はあまりよく知らずに見に行ったけど、正しくB級で、クレイジーでとても楽しかったです。映画版はラストが違うんだね。

Dentist役のBryce Pinkhamさんの達者さに驚愕だったし、Mushnikは私が見た回はアンダースタディだったんだけどものすごく上手で層の厚さに恐れ入りました。

曲はさすがアラン・メンケン&ハワード・アッシュマンコンビ。どれもよかった!

Feed Me (Git It!)で、シーモアがI Don't Know~♪って歌い上げるところとか、これこれ、ジェレミーのこういう歌が聴きたかったのよーー!!!ってなった。

有名なSuddenly Seymourの最初の歌いだしを聴いたときには、思わず涙ぐんだ…。ジェレミーバージョンで収録したフルのキャストアルバム出して…(Grow for meの1曲だけは配信されてるけど)。

 

オードリーのJoy Woodsは信じられないくらいスタイルがよいのだけど、歌声はパワフルで彼女もとってもよかった!オードリーⅡは、2回目がアンダースタディの女性で新鮮だったな。

 

そしてそして!やはりジェレミー・ジョーダンを見るために海を渡ったからにはステージドアにチャレンジすべきでは?とチャレンジしてきた!あんまりファンサとかに興味ないし、こういうの気が引けちゃうタイプなんだけど、次があるかどうかわからないし勇気振り絞りました。

1回目はマチネだったので、係のお兄さんが「今日は誰も出て来ないよ」とアナウンスがあり解散。2回目は途中ロンドンから来たという親子連れ?に話しかけられたりしつつ待っていたら、ジェレミーが!!(ちなみに事前にツーショットはNGだよってアナウンスあり)

無事ミッションコンプリートでサインをもらうことができた!他のキャストの方からももらえた~。これは家宝にします(といいつつ、いまだに特に額に入れたりしてないけど…)

一番上がジェレミーのサイン!!

動揺しすぎてまともにピント合ってる写真はありません

 

今となっては、あれは現実だったのだろうか?私は本当にジェレミー・ジョーダンを見たのだろうか?とふわふわしてます。

 

なお、このリトショ公演が始まるくらいに、ジェレミー・ジョーダンがPaper Mill Playhouseの新作ミュージカル"The Great Gatsby"(原作は言わずと知れたフィッツジェラルドの小説「華麗なるギャツビー」)に主役のジェイ・ギャツビー役として出演するというニュースが。上演が10月からでさすがにこの短期間に渡米は無理すぎということであきらめた。2024年の始めにブロードウェイで上演するという報もあるけど果たして…。

 

動画が出てる曲は良い感じなんだけどね。ちなみにデイジーはEva Noblezadaさん。ブロードウェイスター二人が主演することで話題性重視な感じはある。The Great Gatsbyは版権が切れたため同時期に3作製作されているとか。うーん、トニー賞とか狙えるだけのクオリティに仕上がってるのかなあ。。もしブロードウェイしたらまたNYに行くしかないとは思ってるけど…。

 

ニューヨーク旅行 ミュージカル「Back to the Future The Musical」感想

夏のニューヨーク旅行の観劇日記、"Back to the Future The Musical" @Winter Garden Theatreの感想。

言わずと知れた映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のミュージカルです。

これ滞在中最後に見た作品なのだけど、選んだ理由は新作を一つくらい見ておこうかな、というのと、なんだか疲れてしまったのであまり考えずに楽しめそうなのを見たかったから。

 

劇場内はハイテクな感じ

 

まあ、映画で盛り上がるシーンはやはり盛り上がるし、デロリアンを使った映像や舞台装置がすごくてアトラクションみたいで楽しかった。でも、全体的に大味な作品というか、歌も映画で使われている曲以外はあまり印象に残らず別に見なくても良かったかなという感じではある。なんかこういう振り付けやダンスシーンは日本のミュージカルでもよく見るぞと思った(ほめてません)。一幕は割と退屈でちょっと眠くなっちゃった…。

劇場が大きくて、観光客多めという感じでした。

 

マーティの情けないパパ役の俳優さんが、ダサくて気持ち悪い動きをするのがすごーくうまかったのが印象に残ってる。

 

ニューヨーク旅行 ミュージカル「HADESTOWN」感想

夏のニューヨーク旅行。2月に見たかったけど、枠の関係であきらめた作品その2である”Hadestown”@Walter Kerr Theatreの感想です。

 

2019年のトニー賞作品賞受賞作。トニー賞のパフォーマンスを見たときから気になっていた作品。私はこの作品好きな気がすると思っていたけど、実際に見たらすごくよくて、好き!!!ってなりました。

 

 

この赤い花のビジュアルからして好き

ストーリーとしてはギリシャ神話のオルフェウスとエウリディケの話なのだけど、気候変動や貧困、劣悪な環境による労働などの社会的テーマも描かれてる。

 

私がこの作品を見て頭に浮かんだのは「成熟」という言葉。曲もパフォーマンスもなんだかすごく成熟しているなと。表現が難しいけど。これは日本では作れないし、見ることができないわー、と思ったな(いや、わからんけどね)。

特にヘルメス、ペルセポネ、ハデス、フェイトのパフォーマンスね。オルフェウスとエウリディケは若い恋人二人なのでロマンチックにふわふわしているのだけど、神々は老練で皮肉と残酷さに満ちている感じ。

 

キャストはオリジナルキャストのReeve Carneyを見ることができたのが嬉しかった。今はJordan Fisherになってるけど彼も見てみたい。

エウリディケはちょうど私が行くちょっと前にオリジナルキャストのEva Noblezadaがキャスト交代していて、Solea Pfeifferさんになってた。彼女のエウリディケとってもよかったのだけど、ブロードウェイオリジナルキャストのReeveとEvaは公私ともにカップルでインスタでいちゃついてる投稿をたくさん見てるので、ちょっと誰よその女!?みたいな感じがあった笑。

 

曲はどれも好きだけど、ハデスのオリジナルキャストだったPatrick Pageさんが歌う"Hey, Little Songbird"を聴くと涙が出てきます。いつか生でこの低音ボイスを聴いてみたい…。

 

 

ニューヨーク旅行 「Here Lies Love」感想

夏のニューヨーク観劇旅行。次はこちら”Here Lies Love” @Broadway Theatre。

デイヴィット・バーンとファットボーイ・スリムによるコンセプトアルバムをミュージカル化した作品。

フィリピンのフェルディナンド・マルコス元大統領の夫人イメルダ・マルコスの人生を描いた作品です。キャストがすべてフィリピン系の俳優さんというのはブロードウェイでは初だとか。

 

 

私がこのミュージカルを見に行こうと思ったのは、オーケストラ席をディスコのダンスフロアのようにしているImmersive(没入型)な作品がどんな感じなのか知りたかったというのと、アキノの母親役でレア・サロンガさんが期間限定で出ていたから。

 

多分フロアの席を買うのが正解だったんだろうけど、90分の短め演目とはいえ連日出歩いていたので立ちっぱなしはつらそうと思ったのと、一人でノリノリのダンスフロアに行く勇気が持てず…安めの2階後方席を購入しました。

 

シャンデリアのある格式高そうな劇場なんだけど、ギラギラの照明でまるでディスコ(ディスコいったことないけど)

フロアにあるお立ち台みたいな舞台はぐるぐる回転するので、フロアの観客はぐるぐるとミキシングされます。DJもいて、お友達と離れ離れになっちゃうかもだけど、新しくお友達作ってねー!みたいなこと言ってた。

劇場スタッフもみんなノリノリで、始まる前から、イエーイ!盛り上がってるー?って感じで話しかけてくるので、ちょっとたじたじ。

あと、2階席だからといって、ずっと座って見ていられるわけではなく、途中立って踊らされます。

それ自体は楽しいのだけど、独裁者に熱狂するシーンでHand  up! Yeah!!みたいな感じで踊らされるのはなんかちょっと抵抗あった。

ただ、おそらくこれは意図的な演出かと思った。最後にはギラギラのディスコみたいな舞台はすべて取り払われるので。独裁者夫妻とそれに熱狂した人々の虚飾をこの空間で描いていたのかなと。決してイメルダを美化した作品ではなく、描きたかったのは民衆の力による民主化だということはわかるようになっていた。
最後には、現在のフィリピンの大統領がマルコスの息子であることにも言及されていた。

 

ただ、ちょっともやっとしたのは、これがアメリカで作られていることなんだよね。もし日本の現代史をもとに日本の政治家についてこうしたミュージカルが外国で作られていたら、すごく複雑な気持ちになるだろうなと思った。太平洋序曲ですら複雑な気持ちになったので。フィリピンやフィリピンのルーツのある方たちはこの作品をどう捉えているのだろう。

 

キャストについてはイメルダ役のArielle Jacobsは歌も上手で素敵だった。アラジンのブロードウェイオリジナルキャストで今年のニューイヤーコンサートで来日したAdam Jacobsさんの妹さんなんですね。

レア・サロンガ様は、1曲のみの登場で、もっと歌聴きたいよー!ってなった。でも見れてよかった!!

あと、ニノイ・アキノ役のConrad Ricamoraさんも、ドラマ「殺人を無罪にする方法」のオリバー役が印象的だったので見たかったのだけど、残念ながらお休みでアンダースタディの方でした。その方もとても良い声で上手だったけど。分かっていても暗殺シーンは衝撃的だった。

 

すでにブロードウェイの公演はクローズしてしまったけど、なかなか得難い観劇経験でした。

 

ニューヨーク旅行 ミュージカル「Kimberly Akimbo」感想

夏のニューヨーク観劇旅行。2月に行ったときも見たかったけど、見送った作品を見るぞシリーズ。

2023年トニー賞受賞作品”Kimberly Akimbo” @Booth Theatreの感想です。こちらもLotteryが当たって45USDで見れた。席はオーケストラ席の前方サイド。

 

 

2000年頃のニュージャージー州に住む16歳のキンバリーの物語。彼女はある難病で通常の4~5倍の速さで老化が進むため、見た目は高齢女性。キンバリーを演じたヴィクトリア・クラークはこの作品でトニー賞主演女優賞を受賞したけど、残念ながら私が行った回ではお休みでスタンバイの方でした。

 

この作品、トニー賞の特集番組とか見てた時は、いわゆる難病ものというか、家族や友人とのハートフルな感動物語なのかな?と思ってた。実際に見たら、全っ然違ってびっくりした。え?嘘でしょ??私の英語の聞き間違い??となることが度々あった。

何にびっくりしたって、キンバリーの家族のひどさ!叔母が特に強烈なのだけど、両親もどうしようもないくらいひどい!!

登場人物の設定がかなりの衝撃だったのだけど、歌はとてもユーモラスで優しくてぎゅっと抱きしめて大切にしたい感じでした。その絶妙なバランスで成り立っているすごくユニークな作品だなと思いました。

これいつか映画化される気がするんだけど、日本で泣ける難病もの路線で宣伝して、実際に見たら違うじゃねーか!ってクレームにつながりそう。

 

叔母Debraのひどさは、このBonnie Milliganが歌う”Better”の歌詞を見ていただければと。とてもいい話をしている曲なように聴こえるけど、歌詞は本当にひどい(笑)

 

 

トニー賞でも披露されたAnagramはかわいい。作品タイトルもKimberlyの名前のアナグラムから来ている。

 

 

キャストはトニー賞助演女優賞を受賞したBonnie Milliganも素晴らしかったけど、母親役のAlli Mauzeyさんが素晴らしいなと思った。Wickedのグリンダっぽい歌声と思ったら、やはり昔グリンダ役を演じていたのですねー。納得。

 

どうでもいいようなことだけど、Kimberlyがゲームボーイのカセットにふって息を吹きかけるシーンがあって万国共通の仕草なんだな、ってなった。

 

ニューヨーク旅行 ミュージカル「SHUCKED」感想

2023年は夏にもニューヨークに行きました。もちろん観劇目的。年始に行ったのにまたしても渡米した理由は、また別に書きます。

 

夏に行ったときに観劇記録、1作目は、”SHUCKED” @Nederlander Theatreです。

コーンの話です。コーンの話って何よ?ってなるけど、実際にコーンの話なので仕方ない。

トニー賞にもノミネートされて、Lulu役のAlex Newellが助演男優賞を受賞してます。

 

何もかもがコーン!

ちょっと鳥居みたいな舞台セットと神々しいコーン

 

Lotteryで当たったので、40USDで見ることができた。しかし絶賛円安中だったので、あまりお得な感じはしなかった…。

席は2階席サイド。舞台全体よく見えたけど、上の写真の右側にあるコーンは見切れていた。このコーンが、村のコーンの状態で村のコーンの状況がわかる仕立てだったので、枯れたり蘇ったりはちょっとわかりづらかったが…まあ、見えなくても問題はなかった。

 

予習あんまりしないで行ったけど、おおよそのストーリーをつかむことはできた。あ、Cornに魚の目という意味があることだけはすでに見に行った人の感想を読んで予習しておいてよかった!

コメディなので、終始ジョークを言っていて、観客は爆笑しているのだけど、多分1割くらいしかわかっていない。聞き取れてもそれがどういうジョークなのかがわからないという感じ。あと、単純に笑いのツボが微妙にアメリカと違って、「面白い、のか…?」となる。

 

たとえばStorytellerの二人が言う"It was an unsolved mystery, which are really just mysteries. " も爆笑が起きてたけど、「まあ・・・そうですね」となるというか。

 

それにしても、とにかく、みんながみんなバカみたいに歌がうまくて、芸達者で、相変わらずブロードウェイ半端ねー!っていうのを観劇1作目から実感。

 

その中でもAlex Newellは突出してた。ソロは圧巻で歌い終わった後はショーストップだった!Gleeに出てたことでも有名だけど、実は2019年にコンサートで来日した時に見ている。その時は喉の調子が悪かったみたいで観客にも謝っていたりしたんだよね。なので本調子の歌が聴けてよかった!

 

 

曲はBeauが歌うSomebody Willが好きだった。

 

 

これとか動画見てるだけでなんか楽しい

 

 

動画ないけど、男たちが飲んだくれているシーンで、他の場面で歌われた歌がRepriseされるんだけど、みんなで大合唱するものの歌詞がわからなくてむにゃむにゃ~って歌い方になっているのとか相当笑えた。言葉が全部わからなくても面白く見れるように作っているのはさすが。

 

ちなみにブロードウェイでの上演は1月までで終了とのこと。

ホリプロが出資しているみたいだけど、日本版上演したりするのかなぁ…。

 

「ONCE ダブリンの街角で」イン・コンサート 感想

トニー賞も受賞したミュージカル”ONCE”のコンサート版、その来日公演をシアターオーブに見に行ってきました。

 

 

原作となった映画は見ていたのだけど、正直映画はあまりピンとこず、歌もそれほど良いと思わなかったので、どうかなーと思ってた。

そしたらチケットがあまり売れていないようだったので、来日公演応援の気持ちをこめて行くことにした。

 

結果、とてもよかったです。ほろ苦くて、染み入る感じ。主演のデイヴィット・ハンターさんが素敵だった。ヒロインのキャシディ・ジョンソンさんはロンドンの& Julietでアン・ハサウェイ役だったとか。

 

それにしてもさ、やはりこの作品を上演するにはオーブは広すぎだよ!