楽しい休日

旅行やドラマ、映画、ミュージカルなど

ミュージカル「マタ・ハリ」感想

ミュージカル「マタ・ハリ」を東京建物Brillia HALLに見に行ってきた。初Brillia HALL。きれいだった。

 

f:id:jollyholiday:20210628001334j:plain

 

フランク・ワイルドホーンが音楽を手掛け、2016年の韓国で初演された作品。日本では2018年に初演されており、今回は再演となる。

 

第一次大戦中のフランス、ドイツを舞台に、女スパイの代名詞的存在である「マタ・ハリ」の人生を、創作を加えながら描いた作品。

マタ・ハリ役は、元宝塚の柚希礼音さんと愛希れいかさんのダブルキャスト

 

私が見たのは、マタ・ハリ役・愛希れいかさん、ラドゥー役・田代万里生さん、アルマン役・東啓介さんが出演されていた回でした。

 

 

 

感想は、うーん、、もう一回見たいかといわれると、もういいかな・・・という感じです。

 

以下ネタバレあり感想(辛口)

 

ミュージカルなので、やはり歌(楽曲自体と出演者の歌唱力)がよいかが私にとっては重要なのですが、 そこがいまいちでした。

 

よかったのは衣装とアンサンブルかな・・・

 

ストーリーは、彼女が二重スパイに仕立て上げられてしまう展開は「なるほどね~」って感じでそこそこ面白かったです。マタ・ハリという人気ダンサーであり高級娼婦でもある女性が、うぶな男性に恋してしまうという内容は、椿姫とその翻案であるムーラン・ルージュっぽさがあった。

 

演出は、いまいち。舞台転換時に出てくるふすまみたいな壁?がなんかパタパタしていて気になるし。メインの人物とは別に舞台の端に戦場の兵士がいて撃たれたりしているのですが、そこは戦争の悲惨さを表す演出なのだろうけど、あれ誰??ってなって気が散ってしまったし…撃たれた後も結構動くなああの兵士…とか思っちゃったり。あと、鏡を使ったシーンが多くて、照明に反射してちかちかとめっちゃまぶしくて「拷問か??」ってなった(こういう拷問映画で見たぞ)。席が1階席の前の方の端で視界がよいとはいえなかったので、意図した演出をちゃんと見れていないかもしれませんが…。

楽曲は、別に悪くないけど、とにかく印象に残らない。フランク・ワイルドホーンっぽい抒情的な割と聞きやすい曲が多かった印象はあるんだけど…まあワイルドホーンの音楽ちゃんと聞いたことあるのジェレミー・ジョーダンが主演した「Bonnie & Clyde」くらいですが。そして、音響のせいなのか、俳優さんの滑舌のせいなのか、歌詞が聞き取れなかった。

こういうとき、ダイジェストではなくて1曲歌っている動画とか、キャストアルバムがITunesにあったりすると、あとで振り返ったりできるのですが、残念ながら見つからず。結局どういう歌があったかほとんど思い出せないのです。最初ぴんと来なくても何回も聞くうちに好きになったりもするからなあ。アリージャンスもあまりメジャーではなかったけど、公式がたくさん動画出してくれていたのでありがたかったな。

さて、出演者について

主演の愛希れいかさんは、とにかく美しかったしダンスも素敵でした。顔小さい!手足長い!色白い!美し!!って感じ。もともとこの公演のチケットとったのも、彼女のダンス見たかったからなので、そこは満足でした。歌は正直過去出演作の動画とかで盛大に音を外していたので期待していませんでした。ので、思っていたよりは歌も演技もよかったかな。でも歌が盛り上がれば盛り上がるほど音を外すので、歌で感動できないのは私にとっては致命的・・・。

アルマンと朝日を見た後屋上から階段を駆け下りるシーン、階段降りるのめちゃくちゃ早い!ってなった。宝塚だからだろうか…。

 

ちなみにダブルキャストで初演から出演している柚希礼音さんは、「プリンス・オブ・ブロードウェイ」で見ていますが、彼女もダンスはとても素敵だったけど、歌は・・・(下手というよりなんかちょっとわざとらしくて、浮いていた・・・)。

申し訳ないけど、元宝塚と聞くだけで歌に期待できない(皆さん華やかだし、人気あって動員力あるから大きい役にキャスティングされるのでしょうけど)。

 

ラドゥー役の田代万里生さんは、歌番組とかWOWOWで放送されたコンサートとか、最近だと「スリルミー」で見ていたので、彼の歌を聴くのを一番楽しみにしてました。一番安定していたと思う・・・ものの、表現が単調な気がする(これは役柄や歌のせいかもしれないけど)。

そして、このラドゥー大佐、なんかものすごく突っ込みどころが多いというか。最初は多くの兵士の命がかかっている中、手段は選んでいられないというちょっと同情できるような感じなのですが、途中から、あの女への欲望が抑えられない!ばかり言い始め、気でも狂ったのか??となる。「ノートルダムの鐘」のフロロー(私が一番気持ち悪いと思っているディズニーの悪役)みたいな気持ち悪さ。で、裁判でアルマンともみ合いになって(この裁判の展開自体が変なんだけど。どうやって帰ってきたんだよアルマン)、うずくまって撃たれたかのようにもがくんだけど、実はアルマンの方が撃たれて死んでしまうので、「いや、お前撃たれていないのかよ!」ってなる。さらにそのあとマタ・ハリとアルマンの悲しい別れのシーンの後、なぜかラドゥーが「なぜこんなことに・・・」みたいな歌を歌うのだけど、「いや、なんでお前が歌うんだよ!」ってなって、悲しいシーンのはずなのに笑っちゃった。

 

アルマン役の東啓介さんは、背が高くて足がありえないくらい長くてかっこいいのですが…姿勢が悪くて、動きが美しくないのが気になった…。歌も演技もほかの人に比べると力不足だったと思う。あと、なんとなくビジュアル系(GACKT?)みたいな歌い方であまり私の好きな歌声ではなかったです。。

 

ヴォン・ビッシング役の宮尾俊太郎さんは、二幕の冒頭にダンスシーンがあって、さすがでした。が、あのダンスシーン何だったんだろう(笑)なぜヴォン・ビッシングが躍っていたんだっけ。こちらはアルマンとは逆に姿勢も動きも美しかったし、あんまり期待していなかったけど、歌も演技も悪くなかったです。

 

衣装係アンナの春風ひとみさん、特に歌が印象に残るとかはないのだけど、この作品で一番の偉大な愛って、アンナのマタ・ハリへの愛だよね??最後までそばにいてくれたじゃないの。

 

うーん、愛希さんの美しさ以外に印象に残るものがなかったなあ。韓国版はどうだったんだろう。