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ミュージカル「The Last 5 Years」感想

ミュージカル「The Last 5 Years」をオルタナティブシアターに見に行ってきました。

 

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3ペアで上演されているのですが、私がみたのは昆夏美さんと水田航生さんのペアでした。 

 

 

 

このミュージカルをなぜ見に行ったかというと、一つは昆さんの歌を聞きたかったから、もう一つはジェレミー・ジョーダンが出演していたこのミュージカルの映画版を見ていたからです。

  

 

この映画は映画として面白いかというと微妙ではあるのですが、ジェレミー・ジョーダンとアナ・ケンドリックの歌唱力の高さを堪能できるという点では見て損はない感じ。

 

以下はネタバレ?ありの感想

 

The Last 5 Yearsはある男女の出会いから別れの5年間を描いたジェイソン・ロバート・ブラウンのミュージカル。出演者はジェイミーとキャシーを演じる男女2人だけで、ジェイミーは出会いから時間の経過通りに、キャシーは別れからさかのぼる形で、それぞれが交互に歌います。お互いが歌を歌っている場面では相手はいないので、ほぼ一人芝居、2人が同じ場面にいるのはプロポーズの"The Next Ten Minutes"の場面だけ。そういう舞台ならではの演出が面白い作品ではあるので、映画版は普通に二人が同じ場面にいるので、時系列がごっちゃになっているだけの単調な作品になっちゃうんだよね(笑)

 

肝心の舞台ですが、よかったです!

2人しか出てないので華やかさはないのだけど、ジェイソン・ロバート・ブラウンの曲がやっぱりよいのと、主役二人の歌と演技もよかった。

 

まず昆さん、歌番組とかでレミゼのエポニーヌやミス・サイゴンの曲を歌っているのを見て、いつかはミュージカルで見たいと思っていました。期待通り、歌もよかったし、演技というか全身を使った表現が上手ですごくキュートだった。キャシーのめんどくさい女な感じは映画版のアナケンに比べるとちょっと足りなかったかもだけど、声質はアナケンよりも好き。

それにしてもプランクや開脚ストレッチをする演出、昆さんすげーってなるものの、演出としてはかなり謎だった・・・。

 

水田さんは、最初の2曲"Shiksa Goddess"と"Moving Too Fast"はちょーっと厳しかった。歌いこなせていない感じ。でもこの2曲そもそもすごい難曲だと思うし、日本語になるとリズムにうまくのらずさらに難しそうと思った。しかも私が聞いたことあるのは、ジェレミー・ジョーダンとノーバート・レオ・バッツさんというブロードウェイ俳優の中でも歌が超絶うまい人々だから・・・。

でも、”The Schmuel Song"以降はよかった。

それにしても誰が演じようとジェイミーはむかつく。結婚式のシーンの直後にもうほかの女に触れないなんて殺生な~みたいな歌を歌い始めるわ、今のお前があるのは俺のおかげやで(意訳)ソングとか浮気の言い訳ソングとか、女性の観客がほとんどだったので、会場の温度がどんどん下がっていくのを感じました(そういう話なのでそれが悪いというわけではないです)。

 

それにしても、このミュージカルの曲はとても好きなのですが、同じフレーズのリフレインの仕方がすごく意地が悪いなあと思った。ジェイソン・ロバート・ブラウン自身の結婚の自伝的な作品というからなおさら…(元妻から訴訟起こされたという話も聞くけど、そりゃあね…)。また、最後にキャシーに「私待つわ」みたいな歌を歌わせるとこともなんつーか…

 

ジェイミーの悪口ばっかり言ったけど、キャシーもたいがいめんどくさい女だと思うので、所詮うまくいくはずのなかった二人ということで…

このミュージカルに比べると、同じくうまくいかなかった男女のミュージカル「LA LA LAND」なんてとっても明るくてさわやかなお話という気がします。

 

最後にジェレミー・ジョーダンとローラ・オズネスさん(この2人はBonnie &Clydeの主演コンビ)が、The Last 5 YearsのThe Next Ten Minutes"とRodgers and Hammerstein's 'Cinderella'の "Ten Minutes Ago"のマッシュアップを歌っている動画貼っておきます。こちら音源はiTunesなどで買えます(https://found.ee/RHGoesPop)。