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「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」感想

ムーラン・ルージュ!の日本版が夏に帝劇で初演されて行ってきたのでその感想。

 

キャストビジュアル。井上さんと平原さんはちょっと素が入っている気が…
左はキャスト表。行列ができていた。

劇場の中もムーラン・ルージュ!仕様。気分が盛り上がる。

劇場の中。撮影可でした。

最初はチケット代が高いせいで、チケットの売れ行きいまいちという話も聞いたけど、評判が評判を呼び、最終的には連日満員で完売したっぽい。

 

以下、ネタバレありの感想。作品自体についてはブロードウェイで見たときにさんざん書いているので、日本版独自の部分について中心に。

 

 

ブロードウェイとは違うなと思ったことについて

・まずはセット。ブロードウェイ版と違い、バルコニーがないのと、前方にせり出している通路もなし。サティーンも天井からじゃなくて、なんか途中?から降りてきた。

・訳詞は、著名なミュージシャンの方々に依頼したことが話題になってた。まあ、そんなに違和感はなかったけど、Come What Mayが「愛してる」連呼はちょっとなーと思った。

あと、もう翻訳版ということでどうしようもないのだけど、ジュークボックスミュージカルなので誰もが知ってるフレーズとメロディが流れてくるのが作品の面白さというか魅力の中核だと思うのだけど、日本語で歌われるとすぐには何の曲かわからないため、その面白さが生かせないのは残念かなとは思った。なんか聴いたことのあるメロディーだな?程度で流れて行っちゃうんだよねー。

・クリスチャン渾身のジョーク「ボヘミアン・ラプソディ」が、全然うけていなくて滑ったみたいになっちゃってて気の毒だった。日本だからなのか、私が行った回はリピーターが多すぎてもはや笑えなくなってしまったのかはわからない。

・日本語で内容がわかるせいか、それとも日本語になるとテンポがゆっくりになるせいか、よりエモーショナルな作品に感じた。ブロードウェイ版はもっとサクサク進む感じ。これはアリージャンスの日米比較でも感じたことなんだよね。

・ブロードウェイ版はすごく淫靡で頽廃的な雰囲気でドキドキ&若干の居心地の悪さという感じだったけど、日本だと帝劇がでかすぎるというのもあるけど、どっちかというとキラキラ電飾ショーという感じ。どちらがいいとか悪いとかではなく、そういう違いを感じた。

 

キャストについて

・サティーン役の望海風斗さん、ガイズ&ドールズで見たときに、演技がうまい!と思ったので、今回も楽しみにしてた。そして今回も演技がうまいなー、というか、ごく自然にサティーンとしてそこにいる(もちろんムーラン・ルージュのスターとしてのカリスマ性と華やかさはさすが宝塚のトップスター!って感じでした)。そのせいか、サティーンの感情がすごくよく伝わってきて、「ああ、サティーンはずっとほしかった愛をクリスチャンに見つけたんだね、それなら彼女の人生は悲劇ばかりじゃないよね」って腑に落ちたんですよね。ブロードウェイ版ほどもやもやしなかったです。

歌は元宝塚の方たちの中では抜群にうまいと思うけど、正直あまり歌声は好みではなくて…でも、Fireworkは泣けた。

・クリスチャン役の甲斐翔真さんはとにかくクリスチャンにぴったり。世界各国のクリスチャンでクリスチャン度選手権をしたら優勝候補だと思う。なんだろう、夢見る瞳と大型犬ぽさ?そしてなんといっても背が高くてスタイルがよいので、舞台上で映えるんだよね。これはサティーンもほだされちゃうわという説得力がすごい。終盤の演技がとてもよくて、「僕を見て、サティーン」と涙ながらに言うシーンはもらい泣きした。歌はもうちょっと頑張れって感じ。

・デュークの伊礼さんはキャスト発表されたときから、「うわ、絶対似合う」と思ってたので見れてよかったです。でもやっぱりセーヌ川に沈められるべきだと思う。

 

他のキャストの皆さんもよかった。

日本版はとてもよかったし、見やすさという点では本国版よりも上かも。ただ、私はやはりブロードウェイでは、ワンアンドオンリー、スパークリングダイヤモンドであるアーロン・トヴェイトを見てしまったので!ごめん!という感じ。

 

2024年もまた同じキャストで再演が決まっているそうですが、ちょっとこの作品自体にお腹いっぱいなので、多分見に行かないと思う。チケット代値上がりしてるし…。