「ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート」感想
ラミン・カリムルー、マイケル・K・リーら海外ミュージカルスターが出演する「ジーザス・クライスト=スーパースター in コンサート」を7月にシアター・オーブに見に行ってきました!
アンドリュー・ロイド=ウェバー作曲、ティム・ライス作詞の超有名ミュージカルのコンサート版、2019年にも同じくラミンさんをはじめとした海外キャストと日本人キャスト共演で上演されていて、私も見に行ってます。
今回、ラミンさんがまたユダを演じる上に、ジーザス役がマイケル・K・リーさんということで、とっても楽しみにしていました。
そして本当に本当に素晴らしかったです!!!
素晴らしい楽曲と素晴らしい歌唱を聴けるって幸せ!!!
ただし、オーブの音響はだめ!
チケットは2回分とってたのですが、2回目は残念ながら関係者に新型コロナの感染者が出てしまって中止になってしまいました。これは仕方ない。
やっぱり早く海外キャストがもっと安全に来日できるようになってほしいし、ブロードウェイやウェストエンドに行ける日が来てほしい!!
以下感想
とにかくラミンさんのユダが素晴らしいです。JCSは他のプロダクションのも結構見たり聴いたりしているけど、ラミンさんのユダが一番好き。最初のHeaven on Their Mindsから、もう声の厚みが、レベルが違いすぎて、あー、もうこれがずっと聴きたかったの!!って感じで泣けました(ラミンさんの歌を生で聴くのはコロナ直前の「CHESS」以来)。
ラミンさんは、歌が超絶うまいし、高いキーのシャウトも楽々出せちゃうし、とにかく歌唱力の塊だけど、ユダのジーザスに対する愛憎、葛藤がすごくよく伝わる。最後の"Judas’ Death"の
Christ, I know you can't hear me
But I only did what you wanted me to
Christ, I'd sell out the nation
For I have been saddled with the murder of you
の部分とかもう、悲痛すぎて泣ける。というかまあ、曲もさ、この後"I don't know how to love him"の歌詞を持ってくるとかすごいよね…。
ちなみに、1階席前方の下手側の席だったのだけど、ユダの定位置が下手側の足場(?)だったので、近くでみれてうれしかった。長髪お団子のラミンさんかっこいい。
マイケル・K・リーさんは、「アリージャンス」のフランキー役で最近購入したブロードウェイ版のDVDで見ていたし、今年のニューイヤーコンサートの配信も見ていて、その知的で優し気だけどとても芯の強そうな佇まいや歌声で、ジーザスぴったりやん・・・って思っていました。そして実際に素晴らしかったです。人々を魅了してしまう一方で、そのことに苦しみ葛藤するというのが全身から表現されていて、渾身のGethsemane、鳥肌ものでした。
2019年の時のジーザス役の人は、そのなんというか、下手ではないけどとにかく普通で印象に残らなかったのだよね。
マグダラのマリアは、セリンダ・シューンマッカーさん。力強い歌声で素晴らしかったです。"I Don't Know How to Love Him"はいい曲だよね。
Should I bring him down?
Should I scream and shout?
Should I speak of love
Let my feelings out?
のとこのメロディ大好き。
でも、2019年の来日キャストのジョアンナ・アンピルさんの歌声の方が好きだったかな。私が持ってるJCSのCD(1996年のロンドンキャスト)のマグダラのマリアもジョアンナ・アンピルさん。
ユダヤ教の大祭司カヤパの宮原浩暢さんもよかったし、アンナスのアーロン・ウォルポールさん(2019年から続投)もよかったです。私、JCSではこのユダヤの祭司組?のパートが大好きなんです…リズムも歌詞もキレッキレで楽しい。出てくると嬉しくなっちゃう。Jesus Must Dieとか一度聞くと一日中頭の中ぐるぐるとまわってしまう。
米NBCで中継されたコンサート(ジョン・レジェンドがジーザス)でカヤパを演じたノーム・ルイスさんが私的にはベストです。ノームさんに"Fools! You have no perception!"て言われたい。
狂信者シモンは柿澤勇人さん。最初に知ったのは「平清盛」の以仁王だったかな。最近では朝ドラ「エール」に出てたのは見てた。ミュージカルで活躍されてるのは知っていたけど、歌を生で聞くのは初めて。普通に上手だった。けど、ソロ一曲しかないからな。2019年のJCSコンサートでは海宝さんが同じ役を演じていたけど、その時の方が衝撃が大きかった…かな。
ペテロ役はテリー・リアンさん。彼は2019年にも見てるけど、ブロードウェイの「アリージャンス」でサミーを演じてるのをDVDで見た後だと、なんだか見れるのが嬉しい。しかしペテロはソロパートが少なすぎる!もっと歌ってるの聴きたい!!
ヘロデ王役の藤岡正明さんは、一番会場盛り上げてた。おいしい役だよね。2019年の成河さんもすごかったけど。2幕の1曲だけのために最初からずっと待機しているんだよね~。大変そう。
ピラト役のロベール・マリアンさんも2019年から続投。ぶっちゃけピラトの曲ってそれほど印象に残らないのでCDなんかだと飛ばしてしまうのだけど…このロベールさんのピラトは歌声も演技も素晴らしくて好きです。かっこいい。ただこれは演出の問題だけど、ジーザスを鞭打つシーン、鞭出てこないし、ジーザスが打たれて「うっ」みたいな演技もないので、話知らないと突然数を数え始める人に見えるんだよね…。
アンサンブルの皆さんもみんな歌もダンスも上手で素敵でした。
あとは、音響さえよければパーフェクトだった。
ところで、海宝さんのアルバム「Break a Leg!」に収録されているGethsemaneは素晴らしいです(動画はダイジェストバージョン)。最初に聞いたのはラジオ(誰かの番組に
確か山崎育三郎さんとゲストで出てた)でCDの宣伝のために流れたときだったと思うけど、衝撃だった。CD買っちゃったもん。いつかジーザス演じてほしいな…。