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ミュージカル「ウェイトレス」感想

3月に、ミュージカル「ウェイトレス」の日本版を日生劇場に見に行ってきました。

日生劇場 ミュージカル『ウェイトレス』

 

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ウェイトレスのポスター

ブロードウェイで見て曲も演出も好きだし、出演者もよさげだったので楽しみにしていた公演。アリージャンス同様、1回見て気に入ったので追加でチケットとって2回見に行った。

ブロードウェイ版をそのまま日本に持ってきているので(演出も海外製作陣がリモートで行ったらしい)、開演前にはサラ・バレリスが日本語で歌付きアナウンス(携帯を切ってね~♪って内容)したり、海外メディアにも日本でウェイトレスの公演が始まることが報じられていたりと話題になってました。それもあって、始まった瞬間、NYのこと思い出して、うるっとなりました。

 

 

 

NYで見た時の感想はこちら。ウェイトレスというより、ジェレミー・ジョーダンのことが大半を占めているが…。

jollyholiday.hatenablog.com

 

 

 

↓↓ネタばれありの簡単な感想です。

 

 

ストーリーはNYの感想の時に書いているので主に出演者のことを。

 

まず主演ジェナ役の高畑充希さん。朝ドラ「ごちそうさん」のときからミュージカルで活躍されている女優さんであることは知っていたけれど、舞台を見るのは初めて。演技も歌もとてもよかったです(音は時々外れていたけど…)。コメディエンヌっぷりも光っていて、作品全体を引っ張っていた。特にShe Used To Be Mineは素晴らしかった。もともとウェイトレスをNYでみて好きになり、演じることを希望されていたそうなのだけど、その気持ちがすごく伝わってきました。ちょっとまだ若いなーって感じはするので、30代半ばくらいでまた演じてほしいです。

ドーン役の宮澤エマさんも役にぴったりだった。同時期に朝ドラ「おちょやん」の継母役やっているとは信じられない(笑)

 

ベッキー役は、LiLiCoさんと浦嶋りんこさんのダブルキャスト。両方見に行ってどっちもよかったです。声や声量はLiLiCoさんの方がよいかなと思ったけど、音程は浦嶋りんこさんの方が安定してたと思う。

 

Dr.ポマターは宮野真守さん。最近までアニメとか見ないから全然存じ上げなかったのだけど、人気声優さんなんですね。ちょうどウェイトレス見に行く前に「羅小黒戦記」を見に行っていたので、本物を見れるのか~とちょっと楽しみでした。まあ、ムゲン様とは似ても似つかぬダメ男役なのですが。かなりコミカルな役どころを達者に演じていました。歌は普通…というかポマター先生ってデュエットが多いので、あまり歌が目立たないですよね。ちなみにポマター先生が、ジェナのパイをこっそり食べるシーンで、1回目はスプーンを取り出していましたが、2回目みたときは聴診器で食べてました。これ、NYのジェレミー・ジョーダンは聴診器だったので、俳優さんの気分で変えているのかな?

 

オギーを演じているのはおばたのお兄さん。お笑いの人も全然知らないので、「おばた」という有名なタレントさんがいて、その人のお兄さんなのかなとか思っていたらどうやら違うらしい。調べても小栗旬の物まねをしているらしいことしかわからず、それ以上の興味もわかなかったので結局よくわからないまま。でも、歌も演技もよかったし、ある意味一番目立っていた(これはNYで見た時も同じで、オギーっておいしい役なんですよね)。体育大学出身とのことでさすがの身体能力、見てて楽しかったです。

 

DV夫アール役の渡辺大輔さん、店長カル役の勝矢さん、オーナー役の佐藤正宏さん、アンサンブルの皆さんも良かったので、これくらいのクオリティで見れるなら日本のミュージカルももっと見たい!ってなりました(なんか上から目線な言い方になってしまったけど、最近まで地方在住だったこともあり、ほとんど見てなくて日本のミュージカルどんな感じなのか知らないので…)

 

歌やセリフについてもちょっとだけ。

日本語でも違和感ないようにしているのはわかるのだけど、そのせいで、微妙に何を言っているのか聞き取れないところが結構あった。全体的に海外ドラマの吹替風のわざとらしさがあって、これが好きじゃない人も一定数いるかもと思った。まあ、一方で、海外ドラマ風にしないと逆にきっつい感じのある作品でもあるけど。

 

あと、歌詞を英語そのままにしているのとか、英語版聴いていない人には意味わからないのでは?とも思った。

Sugar, Butter, Flourの歌詞はそのままだったけど、日本では「フラワー」といえば小麦粉ではなくてお花だと思うので、「花?なんで?」ってなりそうと思った。

あと、妊娠検査が陰性でありますように!って歌う「The Negative」もわかりにくいよなと。

「Club Knocked Up」は「できちゃったクラブ」とされていました。最初の"Knock, Knock!Who's there?”の歌詞もKnocked up(スラングでできちゃったの意味)にかかると同時に、アメリカ(英語圏?)の定番ジョークでもあるというお遊び歌詞だと思うけど、そこは日本語で表現するのは難しいよね…。ちなみに私がKnocked upの意味を学んだのは、キャサリン・ハイグル主演の映画のタイトル「無ケーカクの命中男/ノックトアップ」(そのまんま)からです。

それにしても英語から日本語の歌詞にすると、どうしてももたっとした感じになってリズム感や疾走感が失われてしまうのが残念。それはどうしようもないし、中途半端に英語入れると、逆に「?」ってなっちゃうので難しいところ。

アリージャンスは英語版を知らなかったので違和感はない一方「Resist」が「レイシスト」に聞こえたり「G.I.だ」が「慈愛だ」に聞こえて、「?」ってなってたしね。

 

あと、Bad Idea(Reprise)は、ブロードウェイで見たとき「(注)性的な表現が含まれています」って感じのシーンで、結構びっくりしたから日本ではマイルドにするのかなと思ったらそのままで意外だった。

 

それにしても、日本語で、しかもジェナが華奢な高畑充希さんだと、DV夫のやばさがちょっと笑えない感じで、特にああいう精神的に不安定なタイプは本当にやばいので、うーん、どうして数年後あんなにハッピーな感じになっているのか、どうやってDV夫を消したのだろうと気になってしまいました。

 

なんやかんやと長く書いてしまった。これでおしまい。